ヒット商品応援団日記NO27(番外編)
失われたものを求めて/コンセプトの時代 2005.12.1.
昨日、今話題になっている「ALWAYS三丁目の夕日」という映画を見てきた。西岸良平さんのコミックを原作にした昭和30年代の東京を舞台にした映画である。ここに描かれている生活風景は単なるノスタルジックな想いを想起させるだけではない。そこには物的には貧しくても豊かな生活、母性・父性が描かれ忘れてしまった優しさがあり、そうした心象風景で泣かせる映画である。こうした「過去」へ「内」へと向かう目は他にも数多く出てきている。難病と闘って書き綴られた木藤亜也さんの日記「1リットルの涙」は20年という時を経て120万部というベストセラーになっている。また、柳澤桂子さんが書かれた「生きて死ぬ智慧」も同じ目線で書かれている。サブタイトルに「心訳 般若心経」とあり、NHKでも放送され、この本も43万部も読まれている。あるいは「夜回り先生」こと水谷修さんへの注目も同じでろう。周知の通り、子供の非行、薬物中毒の悲惨に夜回りをして救いの手を差しのべている先生である。メールによる相談件数は多いときには1日700件、少ないときでも1日150件、ネット上でのBBS(伝言板)には開設から9ヶ月で50万アクセスを突破。こんなにもこころが病んでしまった子供達がいるという現実に私達は驚かされる。そして、そうした現実に挑んでいるのが水谷先生であるが、こんな会話をしていると言う。(水谷先生のHPより抜粋)
少女「・・・・もう死にたい」
水谷「そういえば外は今、桜が満開だよ。外に出て見てごらん。花びらを拾ってごらん。匂いをかいでごらん」
少女「先生、行ってきたよ。きれいだった。来年も見られるかな?」
水谷「うん、いろんな明日があるよ。何がしたい?」
少女「考えてみる。ありがとう」
短いメールのやりとりを水谷先生はこう語っている。「つらい過去ではなく、明日を語らせなければいけない。・・・・・・本来、人は人との生身のふれあいで学び合って生きていくものなのに、現代のコミュニケーションは電話上の音声やネット上の文字で行われる」
さて、子供達の悲惨さや社会の問題、学校あるいは家庭内での問題は勿論あるが、こうした「どこか違ってしまったのでは?」という想いが私達の心に響いてくる。
戦後60年、物質的には豊かにはなったが、本当の豊かさとは何かを今一人ひとりが問い始めている。このブログでも取り上げてきた日本版LOHAS運動も今一度豊かさを一人ひとりの生活の中に持続可能なものとして取り入れようとするエコロジー運動である。スローライフ、和ブーム、田舎暮らし、ある意味では京都ブームも同じ根っこからのものと思う。こうした生活者動向を一言でいうならば戦後60年、工業化・近代化つまり都市化によって無くしてしまったものを取り戻そうとする潮流と言えよう。特に求められているのが「こころの豊かさ」、より具体的に言うならば次なる精神生活で1つの考え方、ポリシーに貫かれた生活と言えよう。モノも情報も過剰の時代にあって、私達は「足し算」の量発想から「引き算」の発想へと転換しなければならないのだ。飽食から粗食へ、食べ放題からあれこれチョットづつへ、使い捨てから知恵をもって使い続ける生活へ、連呼形式の広告から何も言わな い=言外を感じ取ってもらう広告へと。むしろ「引かれた」ものの中に美意識を見出す「大人の時代」「成熟した時代」へと向かっているのだ。優れた創造性は「より引くこと」の中から生まれてくる。引けば核心に近づく、より本質に迫らざるを得なくなる。量にシフトすれば拡大は肥大となり、無駄が増え、一般化し、特徴を失う。
つまり、「引くこと」によって高度な結果を求める「質」の時代へと向かっている。最近、言われている「質」の時代とはまさに今なお残されている知恵ある生活を指していると思う。私はマーケティングの専門家として、商品やサービスのコンセプトこそが問われていると考えている。足し算ではなく、どんどん引いていく中に「コンセプト」があるのだ。そうした意味でコンセプトの時代が来ていると思うが皆さんはどう考えられているであろうか?
(最近このブログを見ていただいている方はどうぞサイドバーにある私の手作りホームページをご覧いただきご意見を頂戴したい。また、スターティングキャンペーンを行っていますので併せてご覧ください)
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コメント
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最後までお読みいただきありがとうございます。
投稿: Queen | 2005年12月 1日 (木) 22時16分